第33章 一部・来客
「貴方もまだまだお子様だ」
「あ゙ん?」
「………成程」
そう言う事か。この様子と鬼鮫の言葉で一瞬で理解した。
まさかあのチヅとあのイタチがねぇ…
「若いと生身は宝だな」
「生身かどうかはそれは貴方だけの特殊では…」
「「え?何何?」」
そこで純粋な目をした餓鬼共がやって来て俺達は視線を泳がせる。
「てゆーかサソリのおじちゃんっておじちゃんじゃ無かったんだね!」
「お兄さんだったんだね!」
「あー…まぁな」
今居るこの中では最年長だがな。
※※※
今夜の食卓はいつもより更に賑やかで…少々苛立たしい。チヅルの隣を常にキープする双子の弟のトシを挟んでいるのにチヅルに詰め寄るデイダラとの距離は近い。見るからに気があるのは分かるし、とても積極的だなと思う。
「そう言えばデイダラの手の口ってご飯食べないの?」
「まあ…うん。起爆粘土しか食わねぇな…うん」
「粘土って美味しいの?」
「え?うーん…美味しくはねぇよな…うん」
「美味しくないのに食べるの?」
「粘土に味付けてみたら?」
「あ…いや…それは…」
双子の無垢な気迫に圧されてズルズルと後退る。その様子を眺めていると、ふとマツが振り返って意味深な笑みを浮かべて更にトシと一緒にデイダラに詰め寄る。
『………今度、授業参観にでも参加してみようかしら』
「何故だ?」
『学校がどんな事を教えてるのか気になるのよね』
最近無駄に好奇心旺盛だし変な事教えられてないといいんだけど、と不安そうな顔付きで箸を置くと空になった食器を纏めてお盆に乗せる。
『アタシは忍者学校とか通った事無いならどんな事教えてくれるのか分からないし』
一同「忍としての基本的な事?」
『いや、だからアタシは忍じゃないし』
一応忍術は使えるけども、と肩を竦めた。
※※※
「ぐー…」
と少し狭くなった客室のど真ん中で眠るデイダラを横目に部屋の隅で傀儡の整備をするサソリに声をかける。
「お二人は何故此処に?」
「偶然という名の気まぐれだ」
そう言うとデイダラを見やって小さく溜息を吐く。
「お前達は?随分と馴染んでる様に見えるが」
「私達も偶然ですよ」