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氷華血鎖【鳴門】

第32章 一部・封印


『確かに血遁だけど…本来、血遁は典型的な攻撃術よ』



確かに。チヅルも兄弟も主に結晶化したり爆ぜさせたりと相当な威力と範囲を誇る。秘術系はチヅル独自で改良した術か何かなのだろう。相当なチャクラの消費と血液の消費はするみたいだが。



『殺せなかったけど血遁の封印は出来た…後はユキト兄様の………血遁も…封、印…さえ出来、れば………』



-がくっ-



「おや…」

『…すー…』

「寝たか」

「かなりハイリスクな術みたいですね」

「………」

「では私は食後の散歩にでも行って参りますので後はごゆっくり」



やはり意味深な言葉を残して居間を出て行く。気を使ってるのかどうかは分からないが変な気を回されると気まずいものがある…と内心思いながら机に突っ伏したまま眠るチヅルを見る。



「寝てるのに…隙が無い…」





※※※





『…はっ!』



と目を覚ませば卓袱台の上に転がる巻物が目に入る。その次に目に入ったのはイタチさんでお茶を啜りながらこっちを見ていた。



『何分くらい逝ってた?』

「三分程か」



三分も気を失っていたのか。まぁチャクラ使い過ぎたし血ぃも使い過ぎたし増血剤が激マズだし。そう言えば鬼鮫さんの姿が見えないと居間を見回してると"散歩だ"と短くイタチさんが答える。



『散歩…?この辺何も無いから退屈だろうに』



かと言って街まで出るにしても時間かかるし。正直暇潰しには何も無い辺鄙な集落だけど、まぁアタシ的には住みやすいし気に入ってはいる。



『さてと』

「診察か?」

『うん』

「もう少し休んだほうが…」

『それは貴方。急ぎの任が無い今のうちにちゃんと休んでおいた方がいい』



そう言うとすこし眉間に皺を寄せて小さく頷いたのを見て家を出る。





※※※





「チヅ…おまっ…」



診察にやって来たチヅは昨日よりは調子は良さそうだが未だに顔色は良くない。だけどその割には凄くスッキリした顔をしていた。何かあったのだろうか。



「チヅルちゃん…アンタ…そうかいそうかい。良かったじゃないか」

『ちょ、タエさん動かないで下さい。診察出来ないじゃないですか』



お袋は嬉しそうにチヅの背中をバシバシ叩いて高らかに笑う。
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