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氷華血鎖【鳴門】

第32章 一部・封印


明らかに具合は悪そうなのに何でお袋は喜んでるんだろう。顔がスッキリしてるのが何か関係があるのか…女って分からん。



「ヘタレちまってこの馬鹿息子が!」

「へたっ!?痛…痛たたた!」

「このヘタレ具合は父親そっくりじゃないか!」

「痛てぇってお袋!」

『まあまあ…』



俺の頬を思いっ切り抓るお袋に涙目になって抵抗する俺の様子をチヅは困った様に微笑みながら宥める。



『じゃあアタシはそろそろ…』

「あ、チヅ!今度はどのくらい村に居るんだ?」

『あー…と…』



考える様に視線を泳がせると、また困った様に微笑む。



『今回ちょっと大変だったから暫く休憩が必要だけど…まだ状況がどう動くか分からないから何とも…』

「そっか…」



相変わらず何を探してどんな事をしてるのか一切言わない。でもコレだけは分かってて俺達の様な一般人じゃチヅの力にはなれないと言う事。そんな事を考えてたら今度はお袋に思いっ切り頭を叩かれる。



「女の秘密を暴こうとすんじゃないよ馬鹿息子!」

「あだっ!?」





※※※





一通り村の診察周りを終えて自宅までの帰り道に冬の澄んだ空を見上げる様に立ち止まる。湯の国は比較的暖かくはあるけどもこの村は標高が高い。そろそろ一足先に雪が降り始める頃だろう。



『………』



先程ミツさんに今度はどのくらい村に居るのか、と問われた言葉が頭の中をグルグルと回る。あれだけの戦闘をしたから少し休憩が必要なのは確か。殺せはしなかったけどシズルの血遁は封印出来たから正直もう眼中にも無いし今は危険視する必要は無いと思っている。
ユキト兄様もユキト兄様で…アタシが気を失った後にイタチさんにアタシの事を任せて去ってったみたいだし記憶の様子からしてアタシを狙う事は無い様に思える。
ただ血遁は封印したい。シズルと違って話せるタイプだから…



『どうにか接触を謀りたいところかな』



大蛇丸が関与してる事は分かったから一度サソリさんに会って大蛇丸の情報を貰う…にしてもあの人そう簡単に情報くれないだろうなぁ…用心深いし個人主義だし等価交換だとか言って何らかの条件を突き付けられそう。



『もう少しゆっくり考えよ』




















→to be continued.
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