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氷華血鎖【鳴門】

第4章 零部・氷と血


と考えてる間に術を受けた四名は身体中から真っ赤な結晶を生えさせて息絶えていた。血液を結晶化させる術だろうか。



『最後は貴方なんだけど』

「ひっ…」

『貴方この軍勢の中で一番偉い人なんだよね?』

「いや…俺は…」

『大丈夫、貴方の持ってる情報になんて全く興味が無いから』



くすくすと笑いながら言う様に残った一人の敵は唖然とする。



『ただ…弟妹を狙うように指示したお前は許さない。溶岩の中にいる様な熱く燃える灼ける様な痛みを伴いながらジワジワと事切れるといい』



-フッ…-



と一瞬で相手との距離を詰めると足を引っ掛けて押し倒す。そしてその上に馬乗りになる。そっと敵の頬に手を添えてゆっくり顔を近付けて行く………かと思えば。



『やーめた。舌噛みちぎって喋れなくしようと思ったけどそれじゃ面白くない』



ナニかを期待してた男の半開きの口に千本を落とす様に構える。



「!?」

『駄目よ動かないで。少しでも動けば千本を落として貴方の喉にぶら下がってるモノに貫通するわ』



優しい声色で諭すものの男の顔は恐怖の色で染まっている。そして千本の上の鋒で自分の皮膚をゆっくりと裂くと千本に血が滴り男の喉に落ちて喉が鳴る。



『はい、これでお終い!』



千本を放り投げて男の上から退くと音も立てずに俺の隣に現れる。



「くそ…!!!俺の事をコケにしやがって!!俺を生かした事を後悔させてやる!!!」

『生かす?』



-ぞくっ-



月の光を帯びた藤色の眼が妖しく光る。



『言わなかったかしら?お前は許さない、って』





※※※





『血遁・爆血の華』

「「………?」」

『左肺』

「ごふっ!?」



盛大に血を噴き出す。



『胃』

「げほっ!?」

『肝臓』

「がはっ!?」

『………精巣』

「っ!?」



大事な所を抑えながら片膝を付いて力の無い目でアタシを睨み付ける。



『喉』

「お゙え゙っ…」

『早く殺してって顔してる。この状態で意識があるって屈辱的よねぇ?』

「ひゅー…ひゅー…」

『潰れた喉にこの極寒の空気。さぞかし痛くて苦しい事でしょう』

「ひゅー…」

『あぁ…もう意識飛びそうなのね』



数歩歩み寄って男を見下げる。



『………脳』



-ボンッ-



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