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氷華血鎖【鳴門】

第4章 零部・氷と血


破裂音と共に飛び散るのは血だけでは無い。
ベチャッと外套に付着した血と味噌に嫌悪感がさし、この極寒の気温を耐える方がマシだと思い外套を脱ぎ捨てる。



『…っ』



視界がぐらりと揺れて片膝を付く。



「おい…」

『大丈夫、気にしないで。少し疲れただけだから』



この血遁は正直とても強い。だけどそれなりにリスクがあるからあまり使いたい訳では無かったのだが…この術を使いたくなるくらいにはコイツ等が憎たらしかった。



「この赤い結晶は…」

『駄目…!触らないで!』

「!?」

『その術、氷遁も少し混ざってるから無闇に触れたら貴方の血も凍る』

「そうか…」



ってこんなに流暢にしてる場合じゃない。早く二人を迎えに行ってあげなくちゃ。まだ寝てるとは思うけど起きた時にアタシが居なかったら、きっと不安になって泣いてしまうだろう。



『早く…行かなきゃ…』



と立ち上がろうとしてみるものの上手く立ち上がれなくて身体が傾く。地面は雪だけど雪って意外と固くて痛いんだよなぁと思ってたけど冷たい痛みは来ない。



「無理はするな」

『血………血が…足り、ない…』

「…血?」



そこでアタシの意識は途絶えた。





※※※





その後の鉄の国での出来事、標的に少し休憩が必要なので少し休んでからアジトに向かう旨をしたためた書を烏で飛ばす。
場所はとある国の宿。アジト自体は目と鼻の先だが標的がこの状態なので休ませてから向かう事にした。無論、双方共に札付きなので周りにはそう見えない様に幻術をかけて。
そして日が登り始めた頃。



-がばっ-



『………』

「起きたか」

『弟妹は…?』

「既にアジトに居るだろう」

『此処は?』

「小村の宿だ」



寝起きの第一声が弟妹の事とはとんだ姉馬鹿だと伺える。



「アジトはもう目と鼻の先だ」

『よし行こう、すぐ行こう』

「具合は?」

『寝れたお陰でチャクラは回復した。医療忍術使えば問題無い』

「そうか」

『お世話かけてしまいすみません。有難う御座います』



律儀に頭を垂れられた。




















→to be continued.
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