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氷華血鎖【鳴門】

第4章 零部・氷と血


苦しい言い訳だ。
だが幼い弟妹達はおちゃらけた元気な声と優しい笑顔を純粋に信じる。



「わるいひと!めっ!」

「めっ!」



-もぞっ…-



「う…ぐ…」

「くそ…俺達まで巻き込みやがって」

一同「!」



離れたところで爆風に巻き込まれた敵が起き上がる様子が見える。見えると言うのも霰が止んでから天候は晴れていて分厚い雲の隙間から月の光が淡く射し込んでいる。



『………、お願いが…あります』

「…何だ?」

『皆さんはこの子達を連れてこの場から離れて下さい。勿論タダとは言いません。御礼はします』

「金はいらんぞ」

『…協力出来る範囲内であれば協力させていただきます』

「引き受けた」



そう言って弟妹を抱えようとするが弟妹は姉にしがみついて離れようとはしない。そんな様子に困った様に微笑むと再び弟妹を抱き締める。



『お姉ちゃん、お片付けしてくるから暫くの間このお兄ちゃん達と一緒に居て?』

「「………」」

『大丈夫、とっても優しいお兄ちゃん達よ。お姉ちゃんもお片付け終わったらすぐお迎え行くから』

「「…うん」」

『いい子に出来る?』

「「うん!」」

『うん、いい子いい子!おやすみのちゅー!』



と額に口付けを落とすと安心した様に眠りにつく。



『お願い致します』



"今から起こる惨い殺戮はこの子達に見せる訳にはいきませんので"
低い声でそう言うと外套を靡かせながら、くるりと踵を返す。
そして俺達はお互いに顔を見合わせ
"俺は残る"その馬を伝えると三人の姿は闇夜に消える。





※※※





『さてと』



自らの身体に刺さっていたクナイを投げ捨てていたのを一つずつ拾って行く。そしてそれを返却と言わんばかりに敵に刺し当てる。



『アタシの血、浴びちゃったから貴方達はかなり痛い思いをしながら逝くでしょう』

「たかがクナイ一本…!」

「これしき…!」

「ぐっ!?」

「抜けない!?」

『一瞬でも良いんだけど…一瞬なんて生温い事はしない』



弟妹を狙われたからだろう。狂気に満ちたチャクラは自分自身にも覚えはある。



『血遁・氷血晶』



けっとん…?聞いた事の無い術だ。多分これも…血継限界なのだろうが氷遁も血継限界…二つの血継限界を持つのか?
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