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氷華血鎖【鳴門】

第29章 一部・愛


ガン、と刀を地に叩き付けると地が裂け、裂けた部分から赤い結晶の棘が剥き出しになる。



『チャクラも練れない。身体も自由が利かない…となると命賭けるしか無いでしょ』



そう言うと刃長に掌で触れ刃文で傷を付けながら血を吸い込ませる様にゆっくりと手を滑らせて刀を肩に担ぎ血の滴る指先で兄弟を挑発する。



「…っのやろ…こっちは心配してやってんのに…!」

「待てシズル………ちっ!」



兄弟も腰に携えた刀を抜刀する姿勢で迫って来る。





※※※





くそっ…道具でしか無い女の分際で俺達の事を舐め腐りやがって。片手の担ぎ構えとか調子に乗ってんじゃねぇぞクソアマが。剣術は抜刀術と居合いが至高。あの刀身の長さじゃ重さもあるし振り幅も大きいから速度は出ない。俺達の方が早い。
兄者は傷物にしたくねぇみたいだが…ここまで馬鹿にされたら腹くらいカッ捌いてやらねぇと気が済まねぇ。



「くたばれクソアマ!!」



-ひゅっ…-



「「!!!」」



なっ…速い。



-ズゥウウン-



「ぐ…重…」

「………っ」

『剣術は抜刀術と居合いが至高だってぇ?』

「!!!」



思考が…読まれた。鏡魔眼か。



-メキメキ…-



地にめり込む。なんつー力してんだこのアマ。小さい身体してる女のクセに。



『アタシの剣術は父様に教えて貰ったアンタ達と違ってナマクラじゃ無いんだよ』

「「!」」

『血遁・爆血の華、大紅蓮!!!』



-ドォォオオオン-





※※※





街一帯が吹き飛んだ。情緒溢れる街並みが無惨な瓦礫の山と化した。何という破壊力。兄弟は瓦礫の下敷きとなって気を失ってるのが確認出来る。



『…はぁっ…たく…手間かけ…させて、くれちゃっ…』



-ずるっ-



「チヅル!」



倒れるチヅルを抱き留める。顔色は悪く刀を握る手は震えていて呼吸は浅い。確か毒を浴びたと言っていた。



「解毒薬は?」

『命に…別状は無い、から…』



力無く首を横に振ると刀が手から滑り落ち煙に撒かれて消える。もう刀すら握れないくらいに体力が…チャクラも殆ど残ってないし練れない状態だから自らで回復は出来ないと見える。何処かで休ませるべきか、と思案した時だった。



「け…と、ん………」

「!?」
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