第24章 一部・獲物
どうしたものかと頭を悩ませているとドスドスと荒い足音を立てながらミツさんが居間に入って来る。
「こーら二人共!チヅを困らせるなって」
「「ミツ兄…」」
「いいか?チヅは二人にはまだ理解出来ないとても難しいものを探してるんだ」
「「………」」
「なぁに、お前等も大人になりゃ分かる」
「じゃあミツ兄は知ってるの?」
「お!?おぉう!もももも勿論だぜ!」
「じゃあその難しいものって何?」
助け舟を出してくれたのは有難いけど墓穴を掘ってどうするミツさん、と視線で訴え掛ければダラダラと汗を流す。
「こっ…コウノトリだよ!」
「「コウノトリ?」」
「赤ん坊を運んでくれる鳥さ!」
「赤ちゃん…?」
「僕達に妹か弟が出来るの?」
ミツさんの苦しい言い訳に二人は感極まった感じで話にのめり込む。何て大嘘付いてくれたんだこの人は。
「わぁ!すっごく楽しみ!」
「姉様、鳥さん頑張って見付けてね!」
『え…あ………いやそれは…』
何がどう転んでも…月が落ちてくる確率くらいの問題で無理なんですけど。ミツさんの頬を思いっ切り抓ってから荷物を持って家を出る。
※※※
「ったく…大蛇丸の野郎も阿呆だな」
木ノ葉に戦争仕掛けといて木ノ葉崩しには失敗した挙句、印を結べない様に両手を封印されてやんの。つーかそーゆーのも俺達に言えばサクッと終わらせてやるのに。
んでもって治療しなきゃならねぇからとかで医療のスペシャリストであるあの人を探すのを手伝えとか初めから俺達を使えばこんな事ならなかったのにって文句を言えば"貴方達はチヅルちゃん探しで忙しいじゃない"とか言われた。
まぁ確かにそうなんだけども。
"でもまぁ貴方達がチヅルちゃんを見付けて連れて来てくれたらチヅルちゃんでも良いのよ。あの子も綱手を師としていたから医療忍術はお墨付き。ただ…連れて来るどころか見付けるのも綱手より困難だろうけど"
俺達を小馬鹿にした様なあの態度が腹立つ。そりゃ確かにあの時点であの方が居たとは知らなかったしダメージ負って逃げ帰ったけど次は油断しないし、あの方一人だけを相手にするなら俺達二人で余裕だっての。
「あー腹立つ。兄者、遊郭行こうぜ遊郭」