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氷華血鎖【鳴門】

第20章 一部・邂逅


足元に向かって苦無を投げ地に刺さる前に爆発させようとしたら、その行動に移る前に躱されてしまったが辛うじて爆ぜさせ俺の血を混ぜた起爆札は通常の起爆札の倍の爆発力を誇る。普通なら大ダメージ間違い無いハズなんだが躱すタイミング的に血遁使いとの戦い方を知ってる…となれば彼等がチヅル様の情報を持ってるのは間違いないだろう。



「晶!」



爆風ごと結晶化させて壁の様な大きな紅い結晶を作る。左右に躱した二人は見事にバラけてくれたのを見計らって各々の決めた相手に詰め寄る。



「血遁使いとの戦闘を心得ている。刀捌きも天下一品。鉄の国出身の者だとお見受けする」



般若の面を被った者は一言も喋らない。



「その面の下…拝ませてもらう!」





※※※





上手くバラけさせられたか、と壁の様に聳え立つ紅い結晶を見上げる。兄弟と言うだけあってコンビネーションは抜群。だが此方のコンビネーションは更に上回っていたと思う。言葉を交わさずとも視線を合わさずとも息する様に互いの行動が読めた。恐らく敵側はコンビネーションでは無理だと考えてバラけさせたのだろう。



「ニーチャン色男だなぁ…どっかで見た事ある気がするんだけど何処だったかなぁ」



うーん、と首を捻ってる隙を付いて火遁を出すがギリギリのところで躱される。移動中、チヅルが言っていた。もし血遁使用者だった場合、敵の血を浴びるなと。敵に血を流させるなと。血の付着部分全てが攻撃範囲になると。そしてその血を一滴でも体内に取り込んでしまう様な事があれば一撃決殺だと。
この大男が血遁使いかどうかはまだ分からないが倒すには幻術にかけるしかない…と言ってもそう簡単に俺の目を見てくれそうには無いが。



「まー、んな事はどうでもいいんだけどよ。取り敢えずあのクソアマの情報が欲しいんだわ」



先程から此奴は気に入らない。



「お前に…」

「あ゙ん?」

「その様な呼ばわりをされる様な人間では無い」

「ほーう。テメェ随分とお熱じゃねぇの!もしかして…抱いた?」



ニヒルな笑みを浮かべる敵に底知れぬ殺意が芽生えた。





※※※





ピリッと震える空気。結晶を隔てた隣の戦闘で何かあったのだと感じる。血遁使いとの戦い方は助言してるしイタチさんだから心配はしてない。



『………』
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