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氷華血鎖【鳴門】

第20章 一部・邂逅


けども、弟妹には夕飯が終わる頃には帰ると約束したから流暢にやってられないのもまた事実。この腹違いの兄弟がどうやって生き延びたのか、とか何故アタシの居場所を掴んだのか、とか知りたい事は山程あるけど生憎こんな戦闘中に相手の記憶を見るのは難儀。
ユキト兄様が血遁を使うのは先程確認した。だったらその血遁、利用させてもらう。



-ヒュッ…-



「…!(早い!)」



-ピッ-



刀の鋒が頬を掠めて皮膚を薄く裂く。刀に付着する血。



「(しめた…!)血遁・弾血乱舞!」



そしてそのままの勢いで刀を結晶に向かって斬り込んで行く。多少アタシにもダメージは来るが、そこは問題無い。



「なっ…!」



-ドォォオン-



『………』



ガラガラと崩れる結晶の壁。刀は折れたし刀を持つ利き腕と胸に爆発のダメージを受ける。多少ズレた面の位置を整えながら砂埃をはらう。



「おん、な…?」



-しゅうぅぅう…-



「しかもその回復術は…まさか…」





※※※





爆音と共に崩れる結晶を呆然と見る敵はだんだんと焦燥の色を顔に滲ませる。



「兄者!?兄者!?」



チヅルがやったか。その転機を見逃さず敵に詰め寄って万華鏡写輪眼を出す。



「しまっ…」

(………月読)

「ぅあ…あぁぁぁあああ゙!!!」



この後はどうすべきか。始末はチヅルに任せた方が良いだろうか…否、腹違いと言えど兄弟。兄弟を手にかけさせるのは気が引けると思い苦無を構える。



「シズル!」

「!」

「シズル…!くそっ!」



-さささささっ-



あの印は…時空間忍術。戦線を離脱する気か。



『逃がすか!』



ひゅっと背後から敵に向かって飛んできたのは折れた刀。



-ぼふん-



「チヅル」

『再生術使ったから反応が遅れた』



そう言うチヅルは左腕から胸にかけて外套どころか忍装束までボロボロになっていた。その格好が際どい事に気付き急いで視線を逸らす。



「あの爆発か」

『うん。自分の血遁使うのは素性がバレると思ってユキト兄様の血遁を利用したんだけどダメージ貰った』



まぁバレたっぽいけど、と肩を竦める。




















→to be continued.
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