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氷華血鎖【鳴門】

第20章 一部・邂逅


-すたっ-



「「「きゃっ…」」」

(…写輪眼)

「「「!?」」」



イタチさんが写輪眼で女性達に催眠をかけてアタシが記憶を覗く。
女性達に囲まれて酒を飲むのはガタイの良い男。蒼い髪に金色の瞳。その少し後にマツの記憶で見た蒼い髪に橙の瞳を持つ男が入って来て二人は部屋を後にし、すぐ戻ってくるなり荷物を纏めて部屋を出た。



『………』

「チヅル?」



最悪だわ。二人とも生きてる。どうやってアタシの居場所を突き止めたかは知らないけど好都合。二人纏めて始末する。



『北の方角に行ったみたい』



それだけ伝えるとイタチさんは写輪眼を出したまま北の方角を見る。



「大きなチャクラが二つ…移動している」

『有難う』



そしてその場を静かに後にした。



「…あれ?」

「なんや人がおったと思ったんやけど…」

「気の所為かいな」





※※※





「おい兄者!」

「分かっている」



後方、1km圏内に膨大なチャクラを二つ感じる。宿を出てまだ四半刻も経って無いハズだが…優秀な追跡スキルを持つ者が居る。二つと言う事は暁と見ても良いが…どちらかが追跡に長けてると見える。だが流石にもう国境付近。国境を越えてしまえば執拗に追われる事は無いだろう。



「急ぐぞ」

「無理だ!相手の方が早い!」



ギラリ、と光の反射が目の前を一瞬だけ見える。



「上だ!!!」



シズルの叫びと同時にヒュッと風を斬る音に顔を上げる。沈みかけている夕陽の茜色と登りかけている月の白い光を反射させる刃が妖しく煌めく。



「「!!!」」



-ドォォオン…-





※※※





木々を薙ぎ倒し広範囲に渡って地が大きなクレーターを作る。たった一太刀でこの威力。チヅルの剣術を見るのは初めてだが…これ程までとは思って無かった。



-ギリギリ-



「…!」



砂埃がおさまるとクレーターの中心部で刀を押し合う三つの影。同じく刀で…二人がかりでチヅルの太刀筋を受け止めたのは双方共に蒼い髪をした体型は正反対の男。
ここはサポートが賢明かと判断し手裏剣を投げる。



「「!」」



躱されて距離を取ったのを見計らってチヅルの傍に行く。チヅルは刀を鞘に収めると鞘に収めたままの刀に手を置く。
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