第4章 彼と過ごす初めてのクリスマスに…
店を出て、イルミネーションを見ながらまた手を繋いで歩く。
まだまだ、人混みは薄れない。
「やっぱ、外さっみーな!」
「ほんと冷えるね…!」
「どっかあったかくなれるとこ…行こっか」
身体を屈めて、わたしの耳元で低く囁いた彼に、どこのことを指しているのか分かって、顔が熱くなる。
満更でもない様子のわたしを、ニコニコ顔の彼が手を引いて歩き出した。
ショッピングモールの最寄り駅から、一方路地に入ると、そこはピンク色のネオンで光っていた。
ニューオープン!と一際目立つ、白い壁のラブホテルに入っていく。
エレベーターに乗って上に行き、カードキーを差し込む彼の後に続いて中に入る。
「出来たばっかでキレイなもんだなー!今時のラブホって、清潔感売ってんのか?」
「…き、聞かないでよ…!…入ったこと…ないもん…」
「マジかー!?てか、ずっと聞きたかったんだけど、って、あんま経験ない?」
こっち、おいでと座ったベッドの隣をポンポン叩いて、隣に座るように促してきた。
「…い、いっぱいあるわけじゃ、ないけど…こういう場所は初めてなの…!」
「ふーん…そっかー。じゃー、こんなん見るのも初めてなのか?」
恥ずかしくて俯くわたしの目の前に出てきたのは、ピンク色をした、所謂、大人のおもちゃと言うものだ。
初めてみる、それに、少し驚いて見せると、光太郎くんが耳元で囁いた。
「今日…これ、使ってもいい?」
「…え、でも…こわい…よ…」
「こわくねーよ、だいじょーぶ…な?いい?」
「…うん…」
わたしがゆっくりと頷いて見せると、彼の優しいキスが下りてきた。