第4章 彼と過ごす初めてのクリスマスに…
黒尾さんと別れて再び歩き出すと、彼のお腹が盛大に鳴って、二人で吹き出して、ファミリーレストランに入る。
クリスマス、夕飯時ということもあって店内は込み合っているようだ。
しばらく待って、窓際の夜景が見える席に運良く案内されて、メニューを二人で覗き込む。
ハンバーグステーキのライスセットを彼が頼んで、わたしもカルボナーラのスープセットを頼んだ。
ライトアップされた観覧車を、イルミネーションでキラキラ光る夜景を眺めながら待っている間、二人で他愛ない話をする。
頼んだメニューがテーブルに並んで、向かい合って食べ始めた。
ファミリーレストランのメニューでも、一口一口美味しそうに食べる彼の姿を見るのが、わたしはとても好きで、この先も彼の側でずっと見守りたい気持ちになる。
早く食べ終わった光太郎くんは、わたしにゆっくり食べてて、と言い残して席をたつ。
食べ終わって、少し休んでいると、光太郎くんが戻ってきた。
「トイレ混んでて、外の方まで行っちまった!」
「そんなに混んでたの?人いっぱいいるから仕方ないね…あ、そろそろ出よっか?」
そうだな、と続いた彼。
ふと、テーブルに伝票がないことを気付く。
「あれ?伝票…」
「トイレのついでに払っといたから、だいじょーぶ!」
然り気無い気遣いに、自然と頬が緩む。