第4章 彼と過ごす初めてのクリスマスに…
12月の最大イベント、クリスマス。
光太郎くんと過ごす初めてのクリスマス。
イルミネーションがキレイに光る、ショッピングモールの大きなクリスマスツリーの下で遅刻している彼を待っていた。
待ち合わせの予定時刻はもう30分を過ぎていて、わたしは手袋を忘れてきた手先を暖めながら彼の事を待つ。
わたしの目の前を通りすぎる恋人たちはとても幸せそうに笑顔を浮かべている。
「おーーーーい、ーーーっ!!!」
一際大きな声が聞こえて、その声のする方を見るとわたしの彼が大きく手を振ってこちらに駆け寄る姿が飛び込んできた。
はぁ、はぁっ、と息を切らした彼は、上目遣いだ。
「遅れてごめん!!ケガしたヤツの付き添いで…病院行ったら、こんな…遅くなっちまって…!ほんっとーーーに、ごめん!!!」
「そんな謝らなくていいから…それより、ケガした生徒さん大丈夫だったの?」
「あぁ、軸足を捻挫したみてーで、やばい捻り方じゃなかった…」
「そうなんだ…良かった…大したことなくて…」
わたしがホッと安心してみせると、彼がガバッと抱き締めてきた。
「ち、ちょっと…光太郎くん…!ひ、人が見てるよ…!」
「なんでそんなやっさしーんだ、ーーー!!おまえ、天使か!?あーーー!俺の彼女、最高!!!」
わたしをきつく抱き締めたまま大きな声で叫ぶ彼の事を、道行く人々がクスクス笑いながら通りすぎていく。