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ハニー・アンダーカバー

第2章 ハニー・ナースコール①


高杉も一瞬遅れて気づき、とっさに七七七を押すようにかばう。
ついにシーツはバサバサバサァと音を立てて崩れ落ちた。

「…!」

七七七がそっと目を開けると、息がかかるほど高杉の身体が近くにあり、彼のにおいがふわっとかおってきた。
彼女の背中には、衝撃から庇うためか彼の手が添えられている。
あまりの近さに胸の鼓動が早くなる。

1歩遅れて、彼もそっと目を開く。

「危なかったですね…って…」

彼の顔がみるみるうちに赤くなっていく。

「す、すみません!つい夢中で…!」

彼は慌てた様子で即座に離れようとするが、足元にはシーツが絡みついており、バランスを崩してしまった。

「わぁ!?」
「きゃっ!?」

バランスを崩した高杉とともに、密着していた七七七も倒れてしまった。
一瞬の衝撃の後、七七七は唇に何かが当たった感触を感じた。

(なんだろうこの感触…なんか感じたことがある…)

目を開けると高杉の顔がさっき以上に近くある。高杉は苦悶の表情で目を閉じたままだった。
そして、理解が追いつく前にまた七七七の体に違和感が襲う。
男性特有の大きな手が包むように彼女の胸を触っていたのだ。

あまりの衝撃的な出来事の連続に彼女の頭は完全にショートしてしまう。

「んん…」

高杉がくぐもった声を出すと同時に、彼の手が七七七の胸をひともみした。

「!?」

七七七はそこでやっと我に返る。その瞬間に高杉も目を開け、2人は同時に勢いよく身体を離した。

「す、すみません!!!!」
「い、いえいえいえ!!私の方こそごめんなさいっ!!」
「あのっ!僕とんでもないことを!」
「いえっ!事故だったんで!大丈夫ですっ!!」

2人ともパニック状態でまくしたてる。
ひとしきり双方が謝り倒した後、2人はある程度落ち着きを取り戻し、崩れ落ちたシーツを片付けることにした。
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