第4章 ハニー・ナースコール③
帰りの車の中。
「どうだった?今回の潜入は。」
不機嫌そうな顔の七七七に、微笑みながら問いかける夢野。
「別に…。」
「そう怒らないでくれよ。」
「…そうですね。高杉さんともっと仲良くなりたかったです。」
イライラした気持ちをぶつけるように七七七は、精一杯の意地悪を言ってみる。
「あんな童貞くんが好みだったとは、意外だな。」
何の気もなしに答える夢野。
その横顔に七七七は、心の中でため息をついた。
(こんなの、夢野さんにとっては、意地悪にもならない…)
車がマンションの前で停車する。
「送って頂いて、ありがとうございました。」
「次の出勤は、来週だね。」
「そうですね。じゃぁお疲れ様です。」
「お疲れ様。」
彼女はマンションへ。車は、繁華街の方へ向かって、消えていった。