【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】
第2章 Requiem
「昼ごはんは、すぐスキップが作ってくれると思うよ。食欲はある?」
「いや、俺はもう行かなきゃならねぇし、」
戻ってリンクスの奴らに弾の不良のことを伝え、新しい武器屋から調達しなければ。
スマホさえ生きていたらすぐにアレックスに指示が出せるのだが。
帰ると言いかけた瞬間、腹の虫が鳴った。
そう言えば昨日の昼から何も食べてない。
笑われるかと思ったら、リサは何だか嬉しそうに微笑んだだけだった。
「どっちにしても服を洗っちゃったし、とりあえず寒いからあなたの服が乾くまではその服着ててね。私は先にシャワーを浴びるけど、キッチンにスキップがいるから」
リサはそう言ってもう一度屈託のない笑顔を浮かべ、部屋を出て行った。
そこでやっと、自分の身体のあちこちに丁寧に包帯が巻かれていることに気づく。
「手当てしてくれたのか・・・」
ここまで親切にされると、やはり他に何か目的があるんじゃないかと疑ってしまう。
見知らぬ他人の好意を素直に受け取れるほど、平和な世界に生きちゃいなかった。