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【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】

第6章 Just want to



「ここの鍵を持ってる人間は?」

「リサと俺だけだと思ってた。でも来た時に部屋の鍵が締まってたから、少なくとももう一人いるんだと思う。ここに出入りして半年以上経つけど、他に人が来たのは見たことないよ」

「おまえがここに来てることを知ってるやつはいるのか?家族とか」

「ううん、家族は知らない。元々自分ちにはそんなに帰って無かったし、この辺りに知り合いもいないよ」

スキップは他にも、リサは週に3〜5回ほど夜出掛けて明け方に帰ってくること、基本的に昼夜逆転の生活を送ってることなどを俺に話した。

「そうか。ちょっと部屋を確認してもいいか?」

「うん。ぐちゃぐちゃだけどね」

寝室とキッチンは前にここへ来た時のまま片付いていたが、バスルームに入ると、脱衣所の戸棚の扉が開けられ物が床に散乱していた。

「荒らされたのはここか」

どうやら廊下の札束や薬瓶はここに入っていたものらしい。
むき出しの札束以外にも、金の入った紙袋が冷たい床にいくつも散らばっていた。
そのうちの一つを手に取って確認する。
こんな大量の金を戸棚に放り込んでいるなんて普通じゃ有り得ない。

「スキップ、この戸棚を開けたことは無かったのか?」

「無いよ。リサは一応女の子だし、バスルームの戸棚を勝手に開けたりできないよ」

「そうか。ニセ札じゃないから確かに強盗じゃなさそうだな・・・この薬の瓶は?」

薬瓶を拾い上げラベルを見る。

「これは・・・」

すぐにラベルに書かれた文字をスマホで検索する。
検索結果を見て指が震えた。


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