【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】
第5章 叶わなくても
それからの数日、一日のほとんどを一人で過ごしたけれど、朝昼晩と食事が運ばれてきて、シャワーも何冊かの本もあって、そこには私に痛い思いをさせる人はいなかった。
しばらく経った頃、知らない男の人が突然部屋にやって来た。
茶色の縮れた髪の毛の、大柄な男の人だった。
彼はベッドに腰掛けて本を読んでいた私を抱き上げて膝の上に乗せた。
驚いて動けずにいると、彼は私の脚や腕を撫で始め、着ていた服をはだけて肩にキスをした。
得体の知れない気持ち悪さと恐ろしさにこわばった身体をベッドに寝かされて、身体中に舌を這わされた。
そして私の下着を脱がせて、脚の間にその大きな身体を割り込ませた。
痛くて苦しくて、身体がバラバラになりそうだった。
彼が動く度に涙が零れて、私を見下ろす顔が満足気に歪んだ。
気を失ってから目が覚めると、“Mr. Reed”が側にいた。
私の泣き腫らした目と、かすれ切った声を目の当たりにして彼は言った。
「苦しいかい?逃げ出したいかい?・・・でも残念だけど、君の行くところはここ以外何処にもないよ。誰も助けには来ない、永遠にね」
私はやっと悟った。
自分は売られたんだ、と。