• テキストサイズ

【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】

第4章 Hello, goodbye



無理矢理バイクに乗せたのはこれが目的か。

『・・・今更な話だな。アイツはいつも本気だろうよ』

『まあそうなんだが、こないだは武器屋に手を回してただろ?他にも色々やってるそうだ』

『色々?』

『ああ。指示された下っ端の奴らが尾行、盗聴、ゴミあさりまで何でもやってるんだと。今におまえの住んでる場所も特定されるかもしれん。現にさっき路地の所にいたろ?雑魚が二匹ほど』

『ああ・・・殺気がないから放っておいた。まるでストーカーじゃねえか。あの野郎そんなに俺が好きか』

『厄介な奴に愛されたもんだな。美人は困るねぇ』

『おまえも昔オーサーにハメられてムショ送りになっただろ?気をつけろよ』

『ンなこともあったなぁ〜!懐かしいぜ』

ショーターがインカムの向こうで笑った。
図書館はもう目の前だった。

『もうあんなとこ入るのは勘弁だからな。リンクスの奴らにはもう一度警告しとくよ』

そう言ったところでバイクは図書館の入り口から少し離れたところに止まった。
ショーターにヘルメットを返す。
軽装でバイクに乗ったせいですっかり身体は冷えてしまった。

「おまえのことだからそこまで心配しちゃいねぇが、アッシュ、とにかく隙と弱味は見せるなよ」

ショーターが受け取ったヘルメットを片手でポンポン投げながら言った。

「わかったよショーター。じゃあな」

俺はバイクの上で片手を振る後ろ姿を横目で見ながら図書館に入った。

/ 166ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp