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【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】

第4章 Hello, goodbye





不快感で目を覚ますと体中に嫌な汗をかいていた。

久しぶりに酷い悪夢を見た。
いや、起きたら忘れているだけで、もしかしたら毎日こんな夢を見ているのかも知れない。

夢の中でもはっきりと感じたおぞましい感触を忘れるために、バスタブの中でシャワーを浴びてからシャツにジャケットを羽織って外に出た。

落書きだらけの自販機で新聞を買う。
すぐそばには野良猫の死骸が転がっていた。

猫は自分の死を予感すると人の目に触れない場所へ行き、ひっそりと死ぬという。
こんな人目につく所で死ぬなんて、怪我か、野良猫同士の喧嘩か、もしくは人間に殺されたか・・・

さして珍しくない光景とは言え、後味の悪さを感じながら家に戻った。
“家”といっても、屋根があってシャワーが使えて眠る所があればいい、そんな程度のものだった。


窓から見えるどんよりと気味の悪い色をした朝の空からは、今にも雪が降り出しそうだ。

何だかやけに嫌な予感がする。
そして大抵、嫌な予感ほど当たるんだ。

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