【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】
第3章 美しい人
ホゥ、と小さくため息をついて、スマホは床に置いたまま身体を毛布の中に戻した。
背中が熱を持ってきた。
鎮痛剤を飲まなくてはと思いつつも、もう起き上がれる気がしない。
タッタッタッ、と軽快に階段を登る音がする。
この足音、スキップだ、と思った時にはコンコンと部屋の扉をノックされていた。
「リサ?起きてる?朝メシ食える?」
「んー、うん、うーん・・・」
毛布にくるまって曖昧に返事をすると、扉の向こうから笑い声が聞こえた。
「それってどっちなんだ?とりあえず作っとくから、起きたら食べてよ。あと廊下に放り投げてある靴、靴箱に入れとくよ」
「ん、ありがとう、スキップ」
途切れ途切れに返事をしたところで意識を失うように眠りについた。