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【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】

第2章 Requiem



「・・・・・・・・・」

すぐにスキップが俺の呆気に取られた表情に気づいて、リサに視線を向けた。

「ほら、だから俺が言ったじゃんか。勝手に触らない方がいいって」

リサはスキップと俺の顔を見て、言いたいことを理解したらしい。

「だって、色んなとこが汚れてて血もついてたし・・・膝のところとか太もものところとか破れちゃってるし、こんなものを履いてるのはすごく可哀想だと思って・・・」

数千ドルするヴィンテージのジーンズを、こんなもの呼ばわりされてしまう。
まさか、金がなくて服も買えないし直せないやつだと思われたのだろうか。
言葉を失っている俺の代わりにスキップが説明し始めた。

「だからって普通は人のジーンズを洗ったり縫ったりしないだろ?ダメージデニムって言葉知らないのかよ」

「ダメージデニム・・・」

リサはスキップの言葉を、真剣な顔をして反芻した。
どうやら知らなかったらしい。

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