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【BANANAFISH】Lullaby【アッシュ】

第7章 山猫の住処






ーーーそれから二週間が過ぎた。

身体の痛みはほとんど消えて、三日目には予定よりも早く生理が来て、私はホッとした。

アッシュは相変わらず昼間は不在にして、夕方戻ることもあれば夜遅くのこともあった。
部屋から出るなという言い付け通り、私はビルの隣にあるコインランドリーに行く以外はずっと篭もりきりだった。
けれどスキップが様子を見に来てくれるし、アッシュが本や参考書を買ってきてくれて、退屈することは無かった。

夜、時間のある時にアッシュがまた勉強をみてくれて、昼間は一人でもくもくとテキストを読み、問題を解いた。


スキップの提案で食材を買ってきてもらい、簡単な料理のレシピも教えてもらった。
初めて一人で作ったそれを食べた日、アッシュは思いっきり顔をしかめた後、何も言わず全部平らげてくれた。
私は特別何も思わなかったけど、次の日その残りを食べたスキップとこんなやりとりをした。

「リサこれ、ほんとにアッシュに食べさせたの?」

「うん。食べてくれたけど、不味かった・・・?」

「う、うーん・・・なんつーか、りんごジュースとクラムチャウダーの缶詰とセロリのサラダを全部ミキサーにかけた感じの味・・・」

「ほんと!それってけっこう美味しそうじゃない?」

「リサ、それ本気で言ってる?」

呆れたスキップが分量を間違えないようなレシピをネットで探して教えてくれたのに、その夜作ったご飯を食べたアッシュはやっぱり無言だった。

「でも全部食べてくれるんだろ?すげえ優しくない?つーか今まで俺がたまにメシ作ってたの、リサは美味しい美味しいって食べてたけどさ、なんか自信なくしたぜ・・・」


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