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ONE PIECE トラファルガーらぶ♡

第4章 近づく距離


思うと、ローと出会ったのはつい最近のことだった。

なのにもう心を開いてしまっている。

(でも、ずっと前から知っているような…)

そんな感じがどうしようもなくしてしまう。


消毒液の匂いが鼻腔をくすぐる。

こんな匂いに包まれた環境にいたわけじゃないのに、懐かしいような。

切ないような。落ち着くような。

そんな感覚に包まれる。


コンコン

律儀なノック音に耳を傾ける。

(ロー?)

ローが心配してきてくれたのだろうか。

そう思い、声を出す。

「…はい」

「あ、ルルア?明日くらいに島が見える予定だから出かける準備しろってキャプテンが」

ベポの声だった。

キャプテン…

ロー…

ベポの言葉をなぞる。

(島……準備……)

その瞬間ハッとする。

自分の部屋まで与えられて同じ空間にいて、すっかり忘れていた。

(シャボンディ諸島まで…)

そう。

それが条件で利害一致とローはいい、乗せてくれていたのだ。

(島に着けば、もうお別れ…?)


ズキンッ

胸が締め付けられたように苦しく感じる。

そんな感覚は初めてでどうしていいかわからなくなる。

「…っ」

出かけた声を抑えるために口を閉じる。

(ふぅ…)

「あら、シャボンディにはもうついたの?」

深呼吸をして、声を出す。


返事が怖い。

「え?やだなぁルルア〜。シャボンディなんてまだまだだよ?」

(え?)

「うそ…」

思わず声を漏らす。

それは、つまり。

まだ彼らと過ごせるということではないか。

胸が暖かくなる。

なんて単純なのだろう。

「わかった!用意しとくね」

そう返事をすると、明るい声が返ってきてホッとする。

(島に一緒に降りても、いいってこと。…、よね)

用意をしとけ。とはそういうことでしょう?

気持ちが明るくなる。

「はぁ…、わたし単純すぎなのでは…?」

ローの態度に敏感で、いちいち反応してしまう自分がいる。

まるで、世界の中心がローのような。

そんな感じ。

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