第3章 2人の物語
「ねぇ、これ怪しくない…?」
(めっちゃ夏みたい…、冬なのに)
黒いサングラス(船にあったもの)に、フードを深くかぶり(ペポが作ったが、誰も着なかったフード)ミニスカート(これはルルアの私服)の格好の自分に思わず声を漏らす。
「海軍の情報を聞くこと自体が怪しいから心配すんな」
「まあ、そう言われれば…」
(そうかも…?)
ローのひとことでなんか片付くのもいやだけど、そう言われればそうだと思い、顔がバレなきゃいい。という結論になった。
「キャプテン〜!島が見えたよ」
航海士のベポの声にローがルルアの言う。
「5時間後には帰ってこい、あまりこの島には居たくねぇしな」
「ありがとう!」
一緒に行く。とかそんなことをされた方が嬉しいだなんて普通の女の子なら思うのかもしれない。
でも、この条件がとてもルルアには嬉しかった。
(情報を自分で聞けるから。)
少なくともローは、ルルアを監視して、海軍に情報をまわそうだなんて考えていないわけで。
それが、とても安心できるし、嬉しかった。
浮上すると、窓から島が見えた。
海岸沿いに、いったらなんだけど、怪しい店が並んでいて、たくさんの怪しい人たちが並んでいた。
(これが、情報屋さんかしら…)
島の中心に行くにあたって、見える景色は華やかなものへとなっていっている。
おそらく、買いたい物はそこに売っているだろう。
「ルルア〜!アイアイ、島に着いたよ」
「ベポ、いってくるわね」
ベポにそういい、船を降りる。
この中に政府の人間がいないかどうしても気になってみてしまう。
沢山の視線を浴びる中、船を降りると、近くで怪しい人を見ると、海賊っぽくて安心する。
ドクロマークの刺青を入れた人や、眼帯をつけている人、服がボロボロの人。
(政府の人はいないっぽいかな…)
安心したルルアは、近くにある深緑色のテントへと入った。
中は、薄暗く、オレンジ色のろうそくが辺りを照らしている。
何人か顔の見えない人がいて、奥へと案内してくれた。
「………」
目の前に立つも、なにも口を開かない人物になにも言えないでいると、その人物が口を開いた。
「どんな情報を?」
「海軍の情報を…」
そう言うと、その顔の見えない人物は、机に手を出した。
金、ということだろうか。