第3章 2人の物語
「今の、白ひげか…?」
ローが驚いた表情をしてルルアに言った。
(あっ…)
久しぶりの連絡に悩まずとってしまった電話に後悔する。
こんなところで作戦をバレてしまっては白ひげのおじさんに、迷惑がかかってしまうではないか。
「い、言わないで…」
(わたしと、白ひげのおじさんが繋がってるって…)
「絶対…」
ルルアはそういい、下を向きローの方を見る。
「あァ、別に興味ねぇしな」
「え」
あっさりとした返事に思わず声が出る。
(なによ、この人…)
「ふーん、優しいじゃん」
「……次の島は小さいが、情報が盛んな島だ。金を払って情報を買ったりするような…、知ってるよな?」
思わず目を見開く。
(それって…)
「海軍の情報、とかも…?」
「まぁ、そうだな」
情報買収っていうのは聞いたことがある。
その名の通り、情報を売って生活をする人たちのこと。
海軍のトップシークレットの情報や、海賊の中の情報なども売っている商売だと聞いている。
目を輝かせているルルアにローが言う。
「ただ、向こうも商売だ。お前の居場所を探してるやつもいるだろう。こっちがきいた情報も漏れないように、正体だけはバレるなよ」
「ロー…」
(なによ、この人。ほんとうに…)
意外と優しいじゃん…。
「ありがとう!変装したことないから、手伝ってね」
「気が向けばな」
「もー!そういうのナシ」
そういい、ルルアは笑った。
そう、自然に。
(んー…仮面とかかぶったらいいのかな)
世界政府の人みたいに?
「んー…」
悩むルルアにローはクスリと笑ってしまった。