第3章 2人の物語
ルルアは一千万ベリーを出し、口を開く。
「お金はいくらでも払うわ。だからそのぶん話して。まずは海軍本部の体制について、そして…火拳のエースの公開処刑の日、誰がくるか。」
中の人物が息を飲んだのがわかった。
ルルアは五千万ベリーを机に置き、話せ。と急かす。
「現在の体制はよくわかりませんが、王下七部海、海軍本部三大将が処刑の近くに待ち構えています」
「処刑の時間は?白ひげとの全面戦争になることを踏まえての上での行動?」
「処刑の時間は、新聞通り。……まぁ、そうでしょうね。それなりに海軍本部も力を入れているはずです」
(……………)
「パスワード、知ってたりする?」
その言葉に顔の見えない人は下を向いた。
「正義の門の」
そういい、合計で1億ベリーを机に置く。
「…パスワードはーーー。」
ルルアは満面の笑みを浮かべて、テントから出た。
(情報買収完璧!)
すぐにでんでん虫に手を添えそうになったが、我慢をし、時間を確認する。
船を降りて3時間が経っていた。
ルルアは急いで街へと向かう。
ーー
「アイアイ!キャプテン〜ルルアってこどうして船に乗せたの?」
その頃船では、ベポがローに質問をしていた。
(理由、か…)
あいつと初めてあった日を思い出す。
初めてあった時、どこかで会ったことある気がした。
たまに見る夢の中で、大きな瞳いっぱいに涙を浮かべるあの女にーー。
「…利害一致したからだ」
「なるほど〜!!」
今日のあいつを思い出すと笑ってしまう。
ルルアの様子が初対面の時と比べて変わったのがわかったからだ。
最初に会った時はとり作っているようなそんな印象を受けた。
昔、誰も信じていなかった俺の様子にとても似ていたから。
なんか、冷たさがなくなった気がする。
棘がなくなったような。
それくらいに、ルルアは心を安らげてくれているのかもしれない。
そう思うと、柄にもなく嬉しく思う。