第3章 2人の物語
「…痛っ」
耳が痛く、鏡を見ると耳朶が赤くなっていた。
また別の部分も痛くなり、足を見るとやはりなれないヒールを履いているせいで、そこも赤くなっていた。
背伸びをした露出の高いドレスを脱ぎ、アクセサリーを外す。
赤く塗ったネイルにため息をつき、窓をみる。
窓は曇っており、外の様子が見えない。
雪が積もっているのだろう。
口紅で赤く塗った唇を手で擦る。
「はぁ…」
(なんか、疲れたな…)
部屋に掛けられている時計を見上げる。
もう朝の5時を回ろうとしていた。
こんなこと、してる場合ではない。
一刻も早く、やめさせなくては。
止めなくてはならない。
処刑を。