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ONE PIECE トラファルガーらぶ♡

第3章 2人の物語


涙こそ流れていないものの、流しまいと必死にとり作っているのがわかる。


彼に似たローという男を見る。

やっぱり、違う。

多分、わたしが夢で愛した男の人じゃない。

全然違う。

こんなに最低な目の前の彼とやはり夢の中の彼は合わない。



「チッ…うぜぇよ」

眉間に皺を寄せ、目いっぱいに涙をためたダイアナにローが冷たく言い放つ。

「へへっ…」

そういい、笑う彼女の笑みはやはりぎこちない。


「ごめんねルルア、なんか」

「…大丈夫よ」

全く、いい迷惑だ。

ため息がでそうになる。

知らない女に絡まれ、連れてこられ、こんな現場の脇役として登場させられる。

全くもって勘弁してほしい。


「あなた、随分と酷い男なのね」

一瞬でも彼とあなたを重ねてしまった自分を恨みたい。

全然違うから。

そう思い、目つきの悪い酷い男に言う。

その声に、いっそう不機嫌になったのがわかった。

「あ?」

不機嫌そうにローが言う。

「ちょっ、ルルアちゃん!…あっ船長、自分ルルアちゃん送ってくるっす。もう、夜も遅いし」

(いいのにな、別に。そんな保護みたいなの)

ペンギンのその言葉に口を尖らせる。


「いいのに…」

第一、さっき知り合ったばかりの男に、そうやって親しげに名前を呼ばれるのも嫌なはずだった。

でも、そこに嫌気がささなかったのは、多分、お酒が回っていて、最低な彼のことを考えていたから。

だと思う。

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