第5章 幸せになれないマンドゥルゴ
『安心しろ。俺はお前みたいな女に手を出すほど女に困ってねぇよ』
あぁ、わかってるよ。
ローはかっこいいから。
わたしだけの王子様ではいてくれないよね。
ねぇ、わかってたよ。
わたしの反応面白がってただけだってこと。
本気にしちゃってごめんね。
重くてごめんね。
わたし、マンドゥルゴでごめんね。
綺麗な深い深い海を見上げる。
ゆらゆらと風になびかれて、落ちろとわたしを誘ってくる。
このまま、落ちることができるのなら、わたしはローを殺さなくてすむ。
好きな人を、殺したくないな…。
わたしが死んでそれができるなら、いいかもしれない。
わたしの命くらいやすみものなのだから。
ザブン…