第3章 動き出す恋心
あのクソガキ…。
なにが『明日の朝に船を降ります』だ。
あんな律儀な言葉遣いはいらない。
ひなはあの馬鹿なひなのままでいい。
ひなは俺を好きといってくれればいい。
これは理想論だろうか。
『わたしをあなたの性欲処理…、に使おうって思ってたりしてても、で、できないからっ!』
なぜかその言葉に胸が暖かくなった。
彼女がそういう行為に対して警戒というか、無理というか。
そういう行為を不慣れなことがたまらなく嬉しく感じた。
だが、どうだろう。
『わたし、あなたがいやよ。なんか』
ふわふわしたあの暖かい気持ちは一瞬にしてきて、胸がズキンっとした。
ひなには嫌われたくない。
好きと思っていてほしい。
彼女の言葉に一喜一憂だ。
そんな自分が嫌になる。
「チッ…」
ローは舌打ちをし、部屋にある酒をゴクゴクと飲み干した。