• テキストサイズ

何度だってあなたとなら【ONE PIECE】

第3章 動き出す恋心


「あ?」

思い切っていったのにもかかわらず、返ってきたひと文字の言葉に嫌になる。

「だ、だから、わたしをあなたの性欲の処理…、に使おうって思ってたりしても、で、できないからっ!」

思い切って声を荒げたひなにローは驚いたような表情をみせた。

「ククッ…そうか」

その笑みはどこか嬉しそうでひなは訳がわからないと言いたげに口を開く。

「意味わかんない。わたし、あなたがいやよ。なんか」

(わたしがあなたに遊ばれてるみたいでいや)

「そうか……。安心しろ俺はお前みたいな女に手を出すほど女に困ってねぇよ」

ズキンっと胸が痛んだ。

ホッとすべき言葉なのに、どうしてだろうか。

「そ、そう…よかったわ」

ひながそう返事をすると、ローはひなに背を向けてまた部屋から立ち去ろうとする。

名残惜しそうに彼の背中を見つめてしまうのをやめたい。

やめたい、けど。

『安心しろ。俺はお前みたいな女に手を出すほど女に困ってねぇよ』

それは、そう。

彼の性欲処理をしてくれる女の人は沢山いるということだろう。

最初にローの顔を見たときたしかにローは整った顔立ちをしていた。

ほっておく女なんていないだろう。

でも、なんでだろうわたし…すっごく悲しかったな。

「期待、してたんだ…」

ローがわたしを好きなんていってくれたから。

もしかしてって…。

「はぁ…」

期待とか

人を信じるとか

仲間とか

(そんなもの、信じてないのに…)

期待なんてしてないのに。

ひなはこの気持ちがよくわからず、ガラス越しに見える真っ暗な風景におやすみ。と目を閉じた。

/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp