第4章 大都会暗号マップ事件
それは夜中の事だった、急に目が覚めて起き上り外に出た。
気づくと小学校の門の前にいて、学校の名前を見てみると帝丹小学校と書いてある。
だんだん冴えてきた頭で現状を理解するのに時間がかかる。
「え、なんでウチ夜の学校の前にいるの?」
あまりの状況にパニックを起こしていると、低い声で窘める声がした。その声は聞き覚えのある声で首を傾げる。
塀の上を見て名を呼ぶ。
「ゴウト」
小さく呟いた言葉に黒猫が反応した。
「ほお、我の名をしっておるとわな……
それに我を見ても驚かぬとは貴様何者だ?」
黒猫ゴウトの言葉に息を飲む。
鋭い目に魅了されて苦笑するしかない。
私はこいつ直々にデビルサマナーの全てを叩き込まれたのだ。かなりそれがトラウマである。
「…………」
どうしたゴウト」
また聞き覚えのある声が聞こえるが……
新たなる人物の声がした方に顔を向けると、めい一杯目を見開く。
「14代目樟葉ライドウ….どうして」
黒い学ラン姿と黒い帽子と、腰元には反魔刀(たいまとう)並びに拳銃、悪魔召喚管を下げていた。
可笑しい何故なら彼は、大正20年代の昔の人である。今は令和でないにしろ平成であるし、この時代にいることじたい可笑しいのだ。
「しっ」
「しっ?」
「……失礼しましたー」
「おいっ!」
ゴウトは逃げる恵理香の背に呼びかけるが、ライドウは何が起きたのかついていけてないようで、走り去る恵理香の背を見つめていた。
「ライドウよ、もしかすると近いうちに会えるやもしれぬぞ」
「……あの人を警戒する理由がわからないんだけど、ゴウトの気のせいじゃないの」
「……いやあやつ我の言葉を理解しておった。デビルサマナーしか伝わらんはずの我の言葉を」
「…………ふーん」
「ライドウケータイを取り出すのはやめてくれ。悪魔を撮るのなら仕方ないが、警察はやめておいた方が良いと思うぞ」
ライドウはゴウトの言葉に、あっそれもそうか。と言うような顔になる。
「でもゴウト大目に見てよ、悪魔はいなかったんだしー、それに……今と昔は違うんだから」
「ああ、17代目樟葉ライドウの名が聞いて呆れるわ」
ゴウトの嘆かわしげな声が夜闇に溶けて行った。