第4章 大都会暗号マップ事件
「早くしないと消滅して、この世からもあの世からも完全に消えてしまいますよ。まあ、あの親子がどうなったところで知ったこっちゃないけど」
坦々と言いのける彼女は鬼である。
「私は家帰って寝ます」
恵理香が去った後、おもむろにメールを開いて笑みを引攣らせる。
「あいつ下の方に…… 上の文だけ見れば非常事態だと思うでしょうが!」
昼時やって来た曽川派、自分の報酬から2万取り出した。そっけない態度の恵理香に曽川はこう最後に言い放つ。
「あなたが丁寧語使うなんて似合わないわよ。。今あなたが周りに対してどういう設定か知らないけど、ほどほどにね。いつかあなたと本音で話したいものだは」
彼女は悠々と言いのけて行ってしまった。
早急に霊胎児の仕事は幕を閉じたが、次は死に神と少年探偵団との邂逅が待っているなどまだ知る由も無い。
「はははは!」
さっきから大笑いしているレイにチョップをかます。
「煩い」
「おまっお前バレてんじゃん。どんだけ似合わないんだよー、ぷっはははは!」
苦しい苦しいと腹を抱えて笑うこの魂に結界術を発動する。
命中したのは顔面で、レイの絶叫が響き渡る。
「すこし黙ろうか」
「はい、すみませんでした」
少し満足したのかカップラーメンを片手にテレビをつける。時たまテレビから視線を逸らしケータイをいじっているようだが、口元はこを描いている。相手は誰かと後ろから除けば、毛利蘭と書いてあった。彼女とのメールで丁寧語を使っていない事から、中のいい事が伺える。正直驚いた。
「負けたんだよ」
不意に呟いた言葉に気の抜けた返事を返し、頭の上に疑問符を浮かべた。