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名探偵コナン(光を抱いて)

第4章 大都会暗号マップ事件


5分くらいかちゃかちゃと動かしているとガチャリと音がして、鍵が開いたようだ。ドアノブを回し開けたドアから中を覗く。
すぐそこは四畳半ほどの板の間だった。
一本の紐を渦巻き状に敷き詰めた丸いカーペットが無造作に敷き詰められている。正面と左右にそれぞれ扉があり、各部屋へと繋がっているのだろう。嫌な顔をしながら一歩また一歩と踏み出す。さらに埃が舞っているらしく鼻腔が少しムズムズする。
しばらくじっと耳をすますけれど何も聞こえてこない。あのノックの音もないし、何も見えないそしてなんの気配もない。何故だろうか。

ふと西側の扉が無性に気になった。正しく言えば扉の先。
あそこは内側から窓を塗り固められた所だ。私は左手の扉を開いた。
まっすぐな廊下が伸びていて、三つほど扉がある。手前の部屋から順に確かめていく。外からの月の光でよく部屋の中が見えた。
物置とあとは客間だろうか。中はからだった。
そしてのこったのは奥の部屋。

ドアノブを回しゆっくり開く。ドアの隙間から暗闇が迫り堪らず仕事用のペンライトのスイッチを入れた。これは机スタンドの明かりほどある優れものだ。

ドアの近くの壁に明かりのスイッチらしきものがあったので押してみる。途端、温かみのある光が室内にみちて、しばし驚きを隠せずにいた。どうやらまだ電気は送られているようだ。

入り口から見て右側には大きなベットと、天井に届くかという高さで漫画や図鑑がびっしり収まっている本棚が鎮座している。
右の奥にはいくつかのゲーム機器の並ぶ棚があり、その上にはテレビが置かれている。
天井を見やると、電球には白い模様柄のカーテンがかぶせてあり、もしかしたらという推測を確信へと変える。

「これは白熱灯」

中央に立ちぐるりと周囲を見渡す。
おもむろにベットの下から箱を取り出す。

「失礼」

誰に言うのでもなく躊躇なく箱の蓋を開ける。中にはさまざまな玩具が積み込まれていて、おかしな点と線が繋がるのを感じた。

あれもこれも小さな子供の身分にしては少し贅沢すぎるのだ。一人っ子ならばこうなのかもしれないが、さすがにこの量は異常である。ここで一つの答えにたどり着く。

「光線過敏症」

平たく言えば、紫外線を浴びると人の何倍もの速度で日焼けする体質の事である。それを誘発する病気によって、症状はいくつかあるらしいがそれならば全てつじつまが合う。

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