第4章 大都会暗号マップ事件
「くそお、犯人は、あいつ以外考えられないのだが…」
「彼にはアリバイがある。完璧なアリバイがな…」
小五郎は、安部豊の表情が気にくわないのかかなり怪しんでいるようで、目暮も小五郎に同意なのか不服そうにしていた。
「まあ証拠もないんだ、どうしようもできんよ」
「くそお…!」
小五郎を待っている最中、外にいる3人は三者さまざまである。
蘭は心配そうに小五郎を待ち、コナンはワクワクと胸を弾ませていて、そんなコナンに視線を外す恵理香。
コナンから視線を外したところで蘭から声がかかり返事をした。
「ん?」
「今度カラオケに行かない? それともスイーツ食べ放題に行かない?」
「うん。どこでもいいけど…」
その言葉に蘭は思案した後に頷く。
「うんわかった。じゃあ後でメールするね」
「あれ? 蘭ねーちゃんと天月ねーちゃん、いつの間に仲良くなったの?」
「プフッなーいしょ」
きょとんと首をかしげる少年は可愛らしい。
蘭と話しているとあっという間だったのか、少しイライラしながら小五郎が強く足を踏みしめ出て来た。
その姿に出入り口の見張りをしていた警備員が不思議そうに見ている。
「あ! お父さん、出て来た!!」
「怪しい!! 絶対に怪しい!!!
奴が犯人にまちがいない!! 男を三日間尾行しただけで、50万円!!
それに、あの自身満々な不適な態度… ますます気にくわねー!!!」
(おいおい、大声でやめてくれ、それに毛利のおっちゃん怪しいと思いながらも、その50万使ったんだろ?)
「いくらなんでも高すぎる!!!」
3人の後をついて歩く。
「じゃあ、なんでその人、捕まえないのよ?」
「アリバイが完璧なんだ… しかも、そのアリバイを証明させられたのは、このオレなんだよ!!」
「え?」
「死体が発見されたのは、火祭りのあった木曜の夕方… そして、その水曜の前日の夜まで尾行していた… つまり反抗は…
水曜の夜から木曜の夕方にかけて行われた事になる」
「じゃあ、きっとお父さんの疑っている人はその一日の間に…」
「奴は、水曜の朝から金曜の夜にかけて、ずっと旅行に行ってたんだよ!! 奴の会社の社員旅行にな!!」
「じゃー、なんでその人にこだわるの?」
「フ… それは… 探偵のカンってヤツよ!!」
「あっそ…」
「…………」