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名探偵コナン(光を抱いて)

第3章 小さくなった名探偵



「おー、来てくれたか。すまんのうこんな忙しい時に……」
「いいえ、かまいません。それに隣ですし、工藤さんにはお世話になっていますから」
「それで聞きたい事があるんじゃが、新一を幼児化した薬の解毒剤は作れたりできんかね?」

彼は首を縦に降る。

「その薬がどんな物かわからないですし、だいち俺は薬を作る事なんて到底出来ませんよ」
「そうか。あ、新一の事は」
「大丈夫ですよ。誰かに言ったりしませんよ。それに言ったところで俺になんのメリットもないですし」
「そ、それもそうじゃのう」

あまりの正論に苦笑う。
マグカップを右手に持ち口に運ぶ。

ピーンポーン

チャイムが鳴り白髪の老人が玄関へ向かう。

「おー、蘭君じゃないか、どうしたんじゃ?」

バタバタとこちらに向かって来る足音がして見ると、蘭が息を切らしながら怒鳴る。

「ちょっとなんで何も言わずどっか行っちゃうのよ! 進までどこかに行っちゃったら、わたし………もうバカなんだから!」

あまりの気迫に身体を引く。

「それで? また博士と発明品の話?」

「そ、そーなんじゃよ、はははは」
「はははは」
「ふーん」
「あれ? てか蘭さんまだ制服じゃないですか、早く着替えて来た方が」
「わっわかってるわよ」

蘭が帰った後息を小さく吐く。

「慎君も大変じゃのー、新一がいないから心配生になってるんじゃろう」
「突発的でしょう。いずれ治りますよ」
「慎君は本当に発明家かね? もっとなんかー、ああ、まるでドクターみたいな知識を持っているから」
「おれたまに医学書を読んでいましたからきっとそれで」
「ほう、なるほど………若いのにすごいのう。ん? 君そう言えばどこの高校に行ってるんじゃ? 帝丹高校かのう」

慎の目が点になる。

「あの阿笠博士、俺の事何歳だと思ってます?」
「ん? 17〜18じゃろ?」
「俺もう30歳ですよ」
「え、ええー」
「それでは阿笠博士俺はもう帰りますね。じゃ
「全然見えん」

立ち去る背を見て笑みをひきつらせる。


工藤亭に戻って来た男性はソファーに座り天井を見上げる。

「…………」

何かいい手がないか思案しているのだろう。だが彼は気づいているはずだ。原作よりも有利だと言うことを。

「やっぱこの手でいくかー」

その日の夜提案をする為に阿笠家の門をくぐった。

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