第4章 束の間の幸せ
「ロー!早く、早く!」
主人公は大はしゃぎで、森を駆け巡る
今日の遊びは、風になるごっこらしい
主人公のオススメだと言われ、やってみたが、、、
「何がおもしれーんだよっ!ただ、走ってるだけじゃねーかっ」
「そうかも〜。でも、こうやったら、森が動いてるみたいで、風みたい〜」
二人で全力で走り続ける
「さっぱりわかんねーよ!」
と、言いつつ、ローも全力で走るのをやめない
「嫌なこと忘れられるよ〜!」
主人公は走りながらそう言った
主人公も嫌なことがあったんだろうか、そう思ったが何故か聞けなかった
美しい森の中を、どこまでも二人で突き進む
緑が横をグングン追い越していった
確かに、悩みも吹き飛んでいくようだ
風になったみたい、、と主人公がいうのも、少しだけわかる気がする
確かに気持ちいいかも、と思ったが悔しいから言わないでおいた
そんな事をローが考えているとは露知らず、主人公は全力で走り続けた
悲しい時、ウェズンの事を思い出す時はいつもそうしていた
風になったつもりで、心臓の限界まで走り続ける
そうしたら、胸の痛みが少しだけ和らぐ気がした
さんざん、走り回り最後は原っぱで寝転んだ
2人とも、ハァハァというよりゼェゼェとなって、草の上に大の字になる
ただただ青い空と太陽が眩しい
汗ばんだ肌に、風が頬を心地よくなでつけていく
海からの風が、寝転んだ主人公の金色の長い髪をもなびかせた
今日はいつもより風が強いようだ
お日様と一緒にキラキラと舞い上がる主人公の髪と、それを見て笑う彼女が眩しくて、ローは柔らかく目を細めた
すると
グ〜〜〜〜
清々しい気分を打ち消すような、盛大な音が隣から聞こえた
「うぅ、お腹すいた!」
「すげー音だな」
ニシシ、とローが笑うと、主人公は真っ赤になって頬を膨らませた
「だって、勉強して遊んだからしょうがないもん!!」