第15章 ウォーターセブン 中編
ローの視線に気づいたのか、主人公が恥ずかしそうに呟く
「ドレスなんて着たことなくて、、、。」
「攫っちまいたい位によく似合ってる。堂々としてろ。」
「、、、な゛、、、っ!」
思いがけない言葉だったのか、主人公は音が出そうなほど真っ赤になった
口をパクパクとさせて言葉が出ない様子が、また可愛らしいから困りものだ
そしてモゴモゴと口ごもりながらも、蝶の形をしたマスクからまだ赤い顔で眩しそうにこちらを見つめた
「、、、ローも、とても似合ってるわ。」
そう言って恥じらい俯く姿に、言い知れぬ衝撃を受ける
今すぐ抱きしめて、誰の目にも触れさせぬように、本当に攫ってどこかに閉じ込めてしまいたい
「、、、ロー?」
「、、、あ、ああ。昔に比べて随分窮屈に感じるがな。」
主人公のこんな可愛らしい姿が見えるなら、タキシードの多少の窮屈さなど些末なことだ
「らしくねェがせっかくだ。楽しもうぜ。」
かつて、父が母をエスコートしていたように、左肘を上げ、手を掛けるように促してやる
主人公が今度は、びっくりしたようにローを見た
自分に触れるのも嫌かもしれないと不安がよぎる
しかし、彼女の反応は予想外だった
「、、い、いいの?」
「さっきの趣味の悪い赤マスクの男の方がよかったか?」
「、、、!もちろん、ローがいいわ!」
主人公はそう言うと、おずおずといった感じで、随分遠慮がちに自分の腕を絡めてきた
そして、
「ありがとう、、、。嬉しい。」
と、泣くように笑った
―――傷つけられた相手に、そんな顔すンな
心臓が軋む
自分の罪が、許された気になってしまう
許される筈がないのに