第15章 ウォーターセブン 中編
ローは病院の跡取り息子という理由で、一緒に連れて行かれていたのだろう
友達を呼んだ家での誕生日パーティーは、あんなに楽しいのに、そこでは政治の話や大人の話ばかりでつまらなかったし、一緒に来てる子供と言えば威張るしか能がない嫌な奴らばっかりだった
だから本音は行きたくなかった
しかし、いつもは白衣の両親がそれぞれに正装し、仲睦まじく寄り添い合う姿を見るのは好きだった
美しく着飾った母をエスコートする父
「ラミに読んでやった、絵本の中の王子様とお姫様みたいだ!」
ローが2人を見上げながらそう言うと、2人は照れたように顔を見合わせ笑って、それからローの頭を優しく撫でてくれた
「患者がいるから、早めに帰ろう。」
医師としても人間としても、尊敬できる両親だった
フレバンスの悲劇で全てを焼き払われ、ローに残るのは今では僅かな記憶のみだ
「キャプテン、顔怖ェよ。どうしたんスか?」
「おお〜!キャプテ〜ン、さすが男前!」
同じくタキシードに身を包んだ、シャチとペンギンが合流する
「お前等が遅ェからだよ。」
タキシードを着るのが初めてだと言う2人は、思いのほか時間がかかったようだ
時間をかけた分、それなりにまともに着れているが、、、、2人とも仮面の代わりのつもりか、トレードマークの帽子とグラサンはそのままだ
「ッ、、、、思った以上に、似合わねェな。」
思わず笑ってしまう
「ああ!キャプテン、そりゃひでェよ!」
「イケメンと比べるなっての!オレ等だって、それなりにモテるんスよ!」
もう1人、、、正確にはもう一匹だが、ベポがドタドタと走ってくる
「キャプテ〜ン!お待たせ!見てみて〜!」
随分と栄養過多でメタボの吸血鬼だが、大きな牙までつけた本格的な仮装で、ベポは大満足な様子だ
クマの仮装なのか、吸血鬼の仮装なのか、端から見たら紛らわしいだろうが
「いいんじゃねェか。」
「でしょう。キャプテンもめちゃくちゃ似合ってるよ!」
「いや、吸血鬼というかどう見てもクマだろ。」
「クマだな。」
「、、、ク、クマですみません。」
先程までの暗い気持ちが晴れていく
今では家族と過ごした時間より、長く一緒にいるクルー達だ