第15章 ウォーターセブン 中編
そう言ったのは、男性
男性の肩にはハトがとまっている
たぶん、、、ハトよね?
何故たぶんなのかと言うと、主人公からはその男性の後ろ姿しか見えないからだ
パウリーさんと話しているので背中しか見えないが、この人もまた職人らしく鍛え上げられた身体つきだ
『お前らの船はあっちだ。ルッチも作るのが大変だったと言っている。』
「あの人面白いんだよ。腹話術を使うんだ。」
ベポがキラキラとした目で、主人公に話しかける
「腹話術?」
「そうそう!まるでハトが喋ってるみたいに見えるんだよ!あの人、ハトでしか喋らないんだ。」
腹話術って人形が喋ったりしているように見せる、あれよね?
ハトを使って話すなんて、世の中には色々な人がいるのね
そう、ベポに答えようとした瞬間
本当に前触れなんて何もなく
ひゅッと、、、突然、主人公の喉の奥が歪に鳴った
同時に、ドクン、ドクンと鼓動が大きくなる
―――え??
それは突然すぎる変化だった
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン
鼓動は早く大きくなる一方で、一気に頭から血の気が引いていく
ハッハッとすぐに呼吸までがおかしくなり、手のひらにはジワリと冷たい汗が滲むのがわかった
―――どうして?いきなり、、、
そう頭では思うのに、うまく呼吸ができなくて喘ぐように酸素を取り込む
鼓膜を叩くような動悸は収まるどころか大きくなる一方で、さらには目眩にも似た不快感で主人公の視界がぐらりと歪んだ
「あ、、、」
縋るものが欲しくて、ローの腕を思わず掴む
「主人公?、、、おい!?お前、顔が真っ青だぞ!」
「、、、ごめ、んなさい。ちょっと」
言いかけたものの、その先の言葉はすでに紡げずズルズルとヘタリ込みそうになる
同時に急速に現実感が遠のいていく