第15章 ウォーターセブン 中編
あれからグスグスと泣く主人公を、ローはそっと店から連れ出してくれた
「これ見ろよ。」
まだ涙目の主人公に、ローが差し出したのはクマの置物
いつの間に買っていたのか、こちらも先程の雑貨屋の品らしい
「、、、、ベポにそっくりだわ!」
それがあまりにもベポだったので主人公は驚き、思わず涙を引っ込めた
「ベポがモデルになったみたいね。」
ローを見上げて笑うと、してやったりの顔で「だろ。」とローもニヤリと笑った
「これもやる。お前、こういうの好きだっただろ。」
「あ、ありがとう。」
―――覚えててくれたんだ、、、
懐かしい記憶の延長に、また胸が熱くなるのを感じる
長年の清貧な生活では部屋に飾るものなどなかったが、幼い頃は主人公だって普通の女の子だった
部屋にはぬいぐるみやら置物などがたくさんあって、そのひとつひとつに名前をつけていたほどで、、、
正直、可愛らしいものは今でも大好きだ
「よかったら新しい船に飾ってもいい?皆が見えるとこに置きたいの。」
「お前のモンだ。好きにしろ。」
こんな風にローと普通に会話ができるなんて、、、
主人公がいた島でも船でも、ローと会話らしい会話などなかった
何気ないやり取りでも、ローが主人公の話しに耳を傾けてくれることが嬉しい
「そろそろ戻るか。」
そう言うと、ローはまた迷路のような街並みを歩き出す
「もうこんな時間だわ。ロー、急がなきゃ。」
シャチ達との約束の時間は、すでに少し過ぎてしまっていた
シャチ達には本当に感謝しなければ、、、、ローとこんな風に過ごせたんだもの
長く待たせてしまったら申し訳ない
「遅れてもアイツ等は喜ぶだけだろ。」
そう言うローは、全然焦っていない
「そんなのだめよ、新しい船のことがあるんでしょ。」