第14章 ウォーターセブン 前編⚠
ここは本人にどうだ?と聞くべきか、、、、
それとも服屋と同じように何点か店員に見繕ってもらうか、、、、いや店員は男だ、却下だ
ローが悶々と悩んでいると、、、、
ある棚の前で立ち止まった主人公の表情がふと曇った
瞬間、彼女はクシャリと泣きそうな顔をした
「、、、おい!」
どうした、と言いかけて、ローも主人公の視線の先を追う
そこには
シーグラスが売られていた
きっとお土産用なのだろう、ウォーターセブンと書かれた小さな小瓶の中に、淡い光を放つシーグラスが詰められている
「、、、、、ッ!」
見た瞬間に込み上げるものがあった
そして束の間、ローの頭に遠い幼い頃の記憶が鮮やかによみがえる
ローと主人公、ふたりはそれをよく海に拾いに行っていた
心地良い波の音やカモメの声を聞きながら、、、、
ふたりは当たり前のように手を繋いで、浜辺を歩いた
時折、主人公の長い髪が浜風に巻き上げられるものだから、主人公は髪を押さえながらきゃあきゃあと笑っていた
まるで光を溶かしたような金色の髪がキラキラと風に舞いながら輝いて、主人公の笑顔がそれ以上に眩しくて、、、
ローが拾った貝やシーグラスをきれいだとはしゃいでは、主人公はそれを一つずつ大事そうにガラス瓶に閉まう
そして部屋にそれらを飾っては、きれいだと何度も眺めていた
それが嬉しかったから、ローは手を砂まみれしながら主人公の為にまたきれいなシーグラスを探した
彼女を喜ばせることのできる自分が誇らしかった
ふたりでいるあまりに温かくて、心地良すぎた夢のような時間
思い出すと、ヒリヒリと身の内から蝕まれるような感覚がローを襲った
たとえ偽りの時間だったとしても、幸せだったかと問われたならば、、、、
確かに幸せだった