第14章 ウォーターセブン 前編⚠
主人公に惹かれていると自覚してからの自分は明らかにおかしい
己のことなのに、制御なんてできやしなくて意味不明だ
船では常に緊張した面持ちだった主人公が、この水の都を少しでも楽しんでる様子を見るだけでローは言いようのない気持ちになった
屋台の食事を美味しそうに食べる姿に安堵したし、遠慮しがちに新しい服に身を包む姿には店ごと買い上げてやりたい気持ちになった
そして、すっかり自分の気持ちがわからなくなった
実は、自分はとっくに彼女を許しているのではないだろうか?と錯覚さえしそうになる
あれだけ憎いと思った筈なのに、彼女に優しくしたいという気持ちはどうしようもない
今は彼女を守り庇護したい欲にかられている
かと言って露骨に態度に出せるほど、ローは器用ではなく、、、、今のローにできるのは、船での一件のようにせいぜい不必要な事を言って彼女を傷つけないよう自分の口を閉じておくこと位だ
「これはベポで。こっちはペンギンでしょ。シャチのは、、、う〜ん、どれがいいかしら。」
主人公はブツブツと言いながら、新たな器を真剣に選んでいる
その姿ですら可愛らしく、店内にいる男からの視線を集めていることに本人は全く気づいていない
これでは埒が明かないとばかりに、ローが大きな体で不躾な視線から主人公を庇う
主人公は何も知らず、「これとかどうかしら?」と屈託なく眩しい笑顔でローに呑気に話しかけている
―――これは、先が思いやられるな
思わずため息が出そうになったローだったが、同時に自分にこんな感情があったのかと驚く
そんなもの、とうの昔になくしてしまっていたというのに