第14章 ウォーターセブン 前編⚠
「さ、旦那様にも見てもらいましょう!」
「え!?」
待って、と主人公が言う間に、店員さんは試着室のカーテンをザーと横に開いてしまう
「お待たせしました〜!」
開いたカーテンの向こうのローと鏡越しに目が合えば、ローは随分とバツが悪そうな顔をしていた
――さっきの会話、絶対ローにも聞こえていたわよね
否定するタイミングを失ってしまい、店員さんは完全にローと主人公の関係を勘違いしてるようだ
恥ずかしくて、ローの方をまともに向けない
しかし、店員さんに促され主人公が真正面に向くとローは主人公の姿を下から上までしっかりと見て少し驚いた顔をした
―――や、やっぱり、似合わないわよね
急激に恥ずかしくなり、カーテンを閉めようとするも店員さんに阻止される
「奥様、スタイルがよろしいから何でもお似合いになりますのに、随分と謙遜されて、、、。」
他に着ていただきたいのがたくさんありましたのよ、と店員さんは眉を下げた
「あ、あのすぐ脱ぎますから。」
営業トークだとわかっているが、その場に耐えられなくなり主人公が試着室に舞い戻ろうとするとローはようやく口を開いた
「脱がなくていい。このまま全部もらう。」
「まぁ!お買い上げありがとうございます!」
一段と高い声でそう言うと、店員さんはポケットからいそいそと鋏を取り出し主人公が着ている服のタグを素早く切っていく
慌てて、主人公はローにこっそりと話しかけた
「ロー、私のは本当にいいから。」
「さっきの服じゃ目立つと言っただろう。」
「でも、、、」
ちらりと見えたタグは、決してお気軽に買える値段ではなかった
全部なんてすごい金額になってしまう