第14章 ウォーターセブン 前編⚠
「、、、そうか。」
「うん。」
それきり言葉が途切れる
もともと口数は多くない二人だから、ローと主人公の間に和気あいあいとした積極的な会話があるわけではない
むしろ沈黙の方がずっと多い
しかし、その沈黙は気詰まりするようなものでは決してなくて、、、
二人の間にはとても柔らかい空気感が生まれていた
海は優しく凪いでいて、柔らかい陽射しが降り注いでいる
それらは波間に反射して、まるで生き物のように水面で眩く揺れている
光の粒が撒かれた水路の道を、ローと主人公を乗せたヤガラ船は進んでいく
「、、、ロー!見て!あんなに大きなブルがいるわ!」
「キングブルは、もっとでけぇ。俺達の船くらいはある。」
「すごい!見れるかしら。」
他愛もない会話でも、こんなにも嬉しい
見るもの全てが輝いて見えた
―――まるで、昔みたい、、、
忘れられる筈がない懐かしい感情に、主人公の胸が熱くなる
あの頃、ローと主人公はいつも一緒だった
二人でなら小さな草花1つの美しさにも感動し、雨音にさえ心が弾んだ
キラキラと輝く宝物のような思い出は、何度主人公の心を慰めてくれたことか、、、
ローも少なからずは同じように感じてくれてるのでは、、、と思ってしまうのは主人公の勝手なのかもしれない
でも、ふとした瞬間に柔らかく細められる彼の瞳は、昔と変わらず優しいもので、、、、
ローの中に変わらない面影を見つけたことに嬉しくなり、気持ちが浮き立つ
いつまでもこの時間が続けば良いのに、、、、
主人公はそう願わずにはいられなかった