第14章 ウォーターセブン 前編⚠
「も、もう、食べれないわ。」
差し出された、熱々の水水ステーキを前に主人公は焦りながらふるふると首を横にふる
「お前はもっと食え。痩せすぎだ。」
ローは自分の分をモリモリと食べながら、ズイとさらに水水ステーキを主人公に差し出す
「ほんとに無理よ。たくさん食べたもの。」
「あれっぽっちじゃ足りねェだろ。」
何、言ってんだとばかりに眉をひそめるローは、主人公の言葉を本気で信じていないようだ
せっかく買ってもらった申し訳なさから、主人公はおずおずとその皿を受け取る
皿の上でまだジュージューと音をたてている水水ステーキは、確かに美味しそうだ
「じゃあ、一切れだけ。残りはローが食べてくれる?」
「ああ。しっかり食っとけよ。」
もう何度目かわからないこのやり取りを、ローと主人公はひたすらに繰り返している
おかげで、人生で1番食べたと思う
水水ジュースは果肉がたくさん入っていて、びっくりするくらいフレッシュだったし、ベポが大好きだと言っていた水水饅頭もとろける甘さで、主人公は2つも食べてしまった
他にも水水バーガーに、水水焼きそば
もともと少食の主人公の胃袋はとっくに限界を超えていて、ぺたんこだったお腹が今ではぽっこりして苦しいほどだ
しかしローは、まるで主人公を太らせるのは自分の義務だと言わんばかりに、主人公が少しでも興味を示す屋台があれば、すぐさまに注文してくれた
今も口に運んだ水水ステーキが本当に美味しかったので、主人公が美味しい!と声を上げると、追加で注文しようとするローを慌てて止めなければならなかった
「腹はいっぱいになったか?」
「うん。お腹どころか食道までいっぱいだわ。」
主人公がおどけてそう言うと、ローは伺うような視線を向ける
遠慮してるんじゃねェか?と思っている顔だった
「ほ、ほんとよ。こんなに食べたのきっと初めてだもの。」
慌てて顔の前で手を降りながら主人公がそう言うと、ようやくローは満足したのか口元を弛めた