第13章 一進一退
この問いに対して、ローは深く眉根を寄せながら答えた
「逆に聞くが、、、、、お前はどうなんだ?この船に乗りたくないのか?」
「乗りたいわ!乗りたい、、、けど。」
息巻いて言ってみるも、否定されるのが怖くて語尾がどんどん弱くなる
「、、、、、。」
はっきりとしたようでしていない主人公の答えに苛立ったのか、不機嫌さを隠そうともせずローは眉根をさらに深く寄せた
乗りたくないのだと誤解されるのだけは避けたくて、主人公は慌てて言葉を発しようとしたが、判断が一歩遅かった
「今さら嫌だと言っても、お前に選択肢はない。なにせ、自分から望んだんだからな。」
吐いて捨てるようにそう言われてしまえば、主人公はもう黙り込むしかなかった
ローへの気持ちを隠す為に言った言葉だったが、彼は心底主人公を軽蔑したのだろう
ローはもう話しは終わりだとばかりにこちらに背を向けシャチ達に今後の指示を出し始めてしまう
今一度、その背に問いたかった
本当に良いの?ローは嫌じゃないの?
でも、聞けなかった
彼の気持ちを考えると、船を降りると言うべきなのだとわかっていたからだ
結局私は、ローには誰より幸せになってほしいと思いながら、彼の優しさにつけ込んでいる卑怯者だ
そうやって側にいる事しか主人公に残されている道はない
そう、、、、他に道なんてない
痛い程に理解している
それでも、痛む胸はどうしようもなかった
「ああ、あと、、、。」
と、彼は何事も無かったように主人公の耳元に顔を寄せた
ベポ達にはローが主人公の体調を診察しているかのように見えたかもしれない
鋭い視線で主人公を射抜く瞳と目が合えば、ローは一段と冷たい刃物のような声で、ベポ達には聞こえないように口を開いた
「、、、もしまた裏切った時は、覚悟しておけ。」