第13章 一進一退
―――心配って、、、、私を?
先程までの考えと真逆なペンギンの言葉
その言葉に、少なからず動揺する
ローと主人公だけが取り残されたデッキには、途端に沈黙が広がった
微かな期待に胸が高鳴りそうになるが、自分自身に言い聞かす
―――期待しては駄目
彼の優しさをはき違えてはいけない
でも、、、、
―――どうして、、、あんな風に抱き締めてくれたの?
胸が苦しかった
ローときちんと話をしたいと思った
そして、その意味を知りたいと思った
「、、、ロー。」
「、、、、、、。」
背中に話しかけてみたが、当然のように返事はない
ローはこちらを見ようともしない
挫けそうな自分の心を叱咤して、主人公はもう一度名前を呼んだ
「ロー、、、こっちを見て。あなたと話がしたいの。」
彼は振り向かなかった
それでも主人公は辛抱強く待った
主人公の態度に根負けしたかどうかはわからないが、、、、しばらくしてからローは、ようやくこちらを振り返った
「、、、、、。」
ざわりとした空気を身に纏ったローが、じっと主人公を見下ろす
その瞳は静かな怒りで揺れていた
「あ、あの、、、」
たまらなくなって口を開いた主人公のその声を、すぐに低くて鋭い声が遮る
「、、、、が言った?」
「、、、え?」
「守ってくれなんて、誰が言った?」
剣呑な瞳をしたローのその言葉で、、、主人公は下手な嘘がバレたのだと理解した
今回の事を、全て話していたのは院長だけだった
他には誰にも言わずに出てきたのだ
お世話になったタウロスさんにも、同僚であるアサドにも、だ
経緯はわからないが、きっとその院長からローは聞いてしまったのだろう